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スポーツマンは二度輝く。元Jリーガー加部未蘭が考える「サッカーをもっとエンタメに。」

GUEST:加部未蘭(かべ みらん)

東京都小平市出身のフットサル選手・元プロサッカー選手。名前の由来はACミランが由来。


今回のインタビューは元Jリーガーの加部未蘭選手です。加部選手のこれまで歩んでこられたサッカー人生や、これから先のセカンドキャリアについて詳しくお聞きしました。

※本記事はnote移行前の旧SPODGEで2018年5月30日に掲載した記事になります。


―サッカーをはじめたきっかけを教えていただけますか?

父がスポーツライターをやっていて、勧められる形でいつの間にかボールを蹴っていました。小学生くらいのころから、気づいたらという感じですかね。中学時代は普通の公立中学に行きながら、FC東京むさしというチームに行っていました。高校からは山梨でヴァンフォーレ甲府、福岡大学に3年間通って、3年生で単位を取り終えたので4年生は東京に戻りました。

―山梨学院高校で全国優勝をされました。優勝した秘訣は何だと思いますか?

シンプルにチームが強かったです。優勝するべくして優勝したって感じです
ね。

―高校卒業後の進路は、ヴァンフォーレ甲府を選ばれましたが、ほかに選択肢は考えていたんですか?

(後に進学した)大学へ進学するか迷っていました。
周囲には、「プロになる」と公言していましたが、オファーもありませんでした。福岡大学からはオファーをいただきましたが、ヴァンフォーレ甲府に進むことを決めました。

―Jリーガーの生活はいかがでしょうか?

最初の1、2か月は苦労しましたが、少しずつ慣れてきました。
正直なところ、あんまり考えてサッカーしてなくて、戦術も考えていないし、点だけ取ればいいと思っていました。
案の定、全然試合に出してもらえなかったです。指導者は伝えてくれていたと思いますが、当時は全く気付かなかったですね。

―試合に出場し始めたのはいつくらいからですか?

実際のところ1試合も出てないんですよ。当時はJ1に所属していました。練習試合では5試合連続で点をとりましたが、ベンチ入りもできませんでした。とても悔しかったですし、腑に落ちない気持ちもありました。今はJ2ですけど、当時はJ1でした。

―プロから大学への進学をされましたが、いつから大学進学を考えていたのでしょうか?

プロ2年目の夏くらいですね。「大学へ進学してもいいのでは」と思って入学しました。大学進学後もプロ選手に戻った例もありました。

大学では人として成長することができたと思います。自分が気づかなかった人の話を聞かないこと、戦術を理解していないことなど、周りから教えていただきました。物事をしっかり聞き、考えるようになり、大学へ通って本当に良かったと思っています。

―4年時に大学から東京へ戻り、サッカーをやっていたんですか?

3年で単位も取り終えていたので、東京にある関東リーグ所属のチームで1年間やっていました。上のレベルに上っていきたいと考え、実績を積み重ねられる東京23FCを選びました。1年で上のレベルに上がれなかったら辞めると決めてプレーしていましたね。

―サッカー選手の引退を決意されたのはいつごろですか?

2016の年末くらいに引退を決意しました。年明け1月には就活を始めました。今は、スポーツに関する事業をしたいと思って仕事をしています。

―具体的に今はどのようなお仕事をされているのでしょうか?

サッカー周りのエンターテイメント領域で日本が足りていない部分に取り組んでいきたいと思っています。
日本のサッカーに比べ、海外サッカーはかっこいいと感じませんか?
おそらくブランディングの問題だと思いますが、海外サッカーのように、日本サッカーを広げたいんです。フィールド以外の部分を充実させることで観戦の動機付けはもっと出来ると思います。

例えばオリンピックの開会式とかは、様々なエンタメ演出が含まれていると思います。音楽や演出などもすごいですよね。サッカーもいろいろな演出を組み合わせていきたいですね。

―先ほどサッカー関係の仕事に興味があると仰っておりましたが、具体的に取り組むことは決まっているのでしょうか?

2017年にネイマールジュニアファイブ(5-5の少数で行うサッカー。ゴールが小さく、キーパーがいない)という大会に出場しまいた。その大会はレッドブルが主催していて、ネイマールが作った大会です。
サッカー的にすごく勉強になります。体の使い方や戦術など。こういう取り組みも面白いなと思っています。こうした競技と連携して、ストリートサッカーコートみたいなものを作ろうというような話をしています。コンクリートで囲って、ライト付けたり音楽かけたりなど、サッカーをかっこよくしていけるように日々考えています。

―「サッカー×エンターテイメント」すごく興味深いです。最後にそこに掛ける想いを教えていただけますか?

もっとサッカー自体がエンターテイメントであるべきだと思っています。芸術とか人が感動できるものだと思っています。そうあるためにも、日本サッカーがエンターテイメントであり続けるため活動に尽力し続けたいです。

―加部選手を見ていると「スポーツマンは二度輝く」と思えます。

現役時代に日本中の話題になることができて、見ている人に夢を与えられます。こういったアスリートが、スポーツで培ってきたものを活かして、セカンドキャリアとしても再び輝き続けることができるようになったらいいなと思います。
僕自身がスポーツマンを2度輝かせたいと思っています。僕のスポーツ競技生活は挫折で終わってしまったので、社会人としてもう一度上り詰めたいです。