選手を「支える」ことで見えたスポーツの素晴らしさ ~株式会社ヴァローズ代表 平田みなみ~
GUEST:平田みなみ
株式会社ヴァローズ 代表取締役
中学・高校は吹奏楽部に所属し、部長を経験。
兄弟のスポーツ応援をきっかけに、スポーツチームの一員になりたいという想いから福岡大学女子サッカー部のMG(マネージャー)・主務を務める。
地方のスポーツチームが注目され、更なる地方スポーツチームの発展を目指すために、株式会社ヴァローズを設立
経歴
福岡大学サッカー部女子 MG(マネージャー)・主務
2021年会社設立(大学4年)
2022年大学卒業
【Instagram】
https://www.instagram.com/varrows_official/
【note(インタビュー記事、その他投稿)】
https://note.com/varrows2021
【Twitter】
https://twitter.com/varrowsofficial
スポーツを通じた課題解決という夢の実現に向けて、2022年に立ち上げた株式会社ヴァローズ。代表を務める平田みなみさんは学生時代のマネージャーをきっかけに起業を決意しました。
スポーツを通じた社会課題の解決を行うため、地方スポーツの魅力を拡げるために活動をしています。
今回は、22歳という若さで挑戦する平田さんにスポーツを支える立場から見えることや、スポーツの魅力などをお聞きしました。
※本記事はnote移行前の旧SPODGEで2022年8月12日に掲載した記事になります。
充実したマネージャー活動
ー中学・高校と吹奏楽に励んでいたと思います。なぜ、福岡大学女子サッカー部でマネージャーとして活動することになったのでしょうか?
吹奏楽部は中学・高校で「やり切った」と感じていました。
また、大学では違うフィールドで活躍したいと考えていたところ、福岡大学女子サッカー部と出会いました。
女子サッカー部へ入部したきっかけは勧誘でした。
他部活からも勧誘を受けましたが、実際にチームの練習に参加した時、選手の頑張る姿を知り、またチームスポーツに魅力を感じました。
選手やマネージャーが少ない中でも、学生主体での活動を通して学びを得られる部活動のほうが、存在意義を持って活動できる4年間になると思い、女子サッカー部への入部を決意しました。
ーマネージャーの仕事はどのようなことをしていたのでしょうか?
水汲みや備品の整備など、マネージャーといえば想像できるような仕事はもちろんのこと、練習のサポートにも入るので、練習中のボール出しやタイマーで時間を計るといった、練習をスムーズに進められるようなことにも取り組んでいました。
元々兄弟がサッカーに取り組んでいたのでサッカーを知ってはいたのですが、経験はないのでボールに触るところからスタートしました。
私はサッカーの経験が全くなかったので、ボール出しには苦労しました(笑)
ースポーツを「支える」道を選んだ理由を教えてください
昔からスポーツを「見る」側として楽しみ、スポーツチームの一員になりたいという想いは持っていました。加えて、スポーツの価値を感じていました。
一方でスポーツを「する」という選択肢はありませんでした。
人を支えることが好きで、やりがいを感じることができたので「支える」道を選びました。
今までサッカーをしていないからこそのサポートができるという考えも持っていました。
プレーについての意見は言えませんので、意見をすることがありません。
だからこそ、前向きに応援することしかできないので、いつも笑顔でポジティブな声がけをすることを意識していました。
また、選手からは「母親のような存在」と言われていましたね(笑)
私はサッカー以外のことしか話せないので、保護者目線のような応援やサッカー以外の話が出来る部員として精神的に落ち着くと感じていてくれたのかもしれません。
競技以外のところで、選手たちのメンタルを支えられ、「みなみがいてよかった」と言われたことは今でもうれしく思っています。
ー「支える」立場で感じ得た”スポーツ”とは?
人とのつながりを強めてくれるものだと感じています。
チームとして掲げる目標に向かい、選手一人一人が一生懸命に取り組み、時には人間関係でぶつかりながらも、助け合いながら進んでいく姿に、スポーツに熱中する人しか味わえない人のつながりを感じました。
だからこそ、私はポジティブな言葉を掛け、何かプラスになればという思いで行動していました。
夢の実現のため会社を設立
ー大学4年生の時に株式会社ヴァローズを設立されました。就職ではなく、会社設立を考えた理由を教えてください
就職活動で自己分析や「やりたいこと」を考える中で、スポーツを支えることがしたいと考えるようになりました。
過去を振り返れば、やりたいことが見えていませんでしたが、就職活動を機にやりたいことがたくさん出てきました。
父へ相談した時の「企業に入社するのではなく、自分で設立したほうが得られるものや達成できることが多いんじゃないか」という一言が私を大きく動かしたと思います。
これまでの部活動で得た達成感とはまた別の経験や学びを得たいという思いが決め手になりました。
ー全力を尽くす選手の姿が会社設立のきっかけになったとお聞きしました。一生懸命に取り組む選手から何を感じたのでしょうか?
一つのことに取り組む姿が本当に素敵だと感じていて、簡単にはできないことだと思っています。選手の姿から感動と勇気をもらいました。それが会社設立のきっかけになりましたし、活動の励みになっていました。
ー株式会社ヴァローズについて教えてください
3つの経営理念の実現に向けて取り組んでいます。
株式会社ヴァローズの経営理念
■スポーツに関わる全ての人の悩みや課題に寄り添い、様々な角度からアプローチする"スポーツコンサルティング"の確立を目指す。
■スポーツのチカラを利用し、地域活性化に貢献する。
■価値を求め、行動を続けることで、自らも"Varrows=価値ある人"を目指す。
今の主な取り組みは、九州にある大学のマネージャーをピックアップした「マネージャーインタビュー」をコンテンツとして配信してます。
私の大きな目標として、スポーツを通じたコンサルティングをしていきたいと考えています。
地方の企業やスポーツチームでは「人材不足」「金銭事情」「情報が少ない」ことが課題だと思っています。
この課題や悩みに対してスポーツに関するコンテンツの提供を目指しています。例えば、人材不足だったらアスリートと企業のマッチングや、ヴァローズ主催の講義やイベントで様々な情報を伝えていきたいです。
支える立場だから思うアスリートに対する想い
ー株式会社ヴァローズの経営理念の一つに「スポーツに関わる全ての人の悩みや課題に寄り添う」とありますが、現在、多くのスポーツ選手がスポーツと仕事の両立に取り組んでいます。デュアルキャリアついてどのように考えているのでしょうか?
私の周りにもデュアルキャリアに取り組んでいる選手がいます。競技と仕事でプライベートが少ない中でも、時間を作り、両立している姿は周りの人にも力を与え、励みとなっています。
個人的な意見になりますが、できる限り、スポーツは続けてほしいと思っています。折角、熱中できるものを見つけたのに、簡単に手放すことはもったいないですし、スポーツを続けてきた人だからこそ活躍できる場や伝えられることがあると思います。
自分自身のバランスを見つけて、スポーツを続けてほしいです。
ー近年では、引退後に地方で農業などに取り組むアスリートが増えてきました。アスリートのセカンドキャリアについてはどのように考えていますか?
キャリアを考えて悩んで競技をあきらめる方や、セカンドキャリアが不安と悩む方の声もお聞きします。
最近は、自分の価値を発揮する場所が増えていると感じていています。それはスポーツ選手などの垣根はなく、一般的に自分が持つ価値をどう社会で発揮するかを考える人が増えました。
そのため、アスリートの方々も競技以外の部分において重視したい価値を見つけるための行動を起こすことで、セカンドキャリアとしても羽ばたける環境を整えることが今の社会ではできていくと考えます。
アスリートがスポーツで培ったものには、人間的な部分が大きいからこそ、社会に必要な人材なんだと私は思います。
大学4年間、女子サッカー部に携わり、仕事や人間的に学ぶことがたくさんありました。大学生活ではスポーツ以外にも熱中することが増えるなかで部活動に一生懸命に取り組んだ4年間は、一般的には経験することができないと思います。
とても貴重な経験ですし、みんなで問題を解決して勝利を目指したことが、人として大きく成長させてくれました。
デュアルキャリアやセカンドキャリアについても、できる限りの環境づくりに取り組みたいと考えています。
スポーツで得た“学び”とアスリート個人が考える“価値あるもの”に寄り添えるキャリアサポートや、競技をしている時からできる教育や伝えられる情報などを増やし、自分の価値を活かせる・見つけられる選択肢を拡げるためサポートができればと思っています。
スポーツを通じた課題解決に向けて
ー最後に平田さんの取り組みを通じて叶えたいことを教えてください
現在はマネージャーインタビューに尽力しています。目的は、地方大学で活躍するマネージャーに注目していただき、地方のスポーツに関わる方のリアルな声を届けたいと思っています。
また、マネージャーインタビューの記事に出演いただくことで、マネージャーや選手のモチベーションが少しでも上がればいいなと考えています。
将来的には、地方の企業やスポーツチームから課題や悩みを集め、スポーツコンサルティングで解決していきたいです。
困ったときに「ヴァローズにお願いしよう」と頼ってもらいたいですし、少しでも地方でスポーツに取り組むアスリートを増やしたり、地域活性化に向けての力になれればと思います。