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世界のバレーボールを知るためにフランスの地へ ~バレーボール選手 柴田真果~

GUEST:柴田真果(しばた みか)

※写真:ご本人提供

バレーボール選手。

フランスリーグAに所属するヴァンドゥーヴル・ナンシー(ヴァンドゥーヴル=レ=ナンシー )に移籍
京都橘高校では、主将を務め、春高バレー、インターハイなどで活躍。日本体育大学2年次に、全日本インカレで21年ぶりの優勝を果たした。3年次にはU23日本代表に選出。
2017年からJTマーヴェラスに所属し、副将など務める。2022年にJTマーヴェラスを退団し、フランスリーグAに所属するヴァンドゥーヴル・ナンシーに移籍が決定している。

柴田さんSNS: https://lit.link/en/mikashibatavb

【経歴】
京都橘高等学校
日本体育大学
2015年 - 第2回U-23世界選手権 4位
JTマーヴェラス(2017-2022年)
ユニバーシアード代表 2017年
2017年 - VTVカップ 金メダル
2017年 - ユニバーシアード(2017/台北)銀メダル
日本代表 (2022年-)
ヴァンドゥーヴル・ナンシー (フランス) (2022年-)


2022年6月にJTマーヴェラスの退団を発表し、フランスの地でプロバレーボーラーとして、チャレンジすることを公表した柴田さん。
世界から優秀なプレーヤーが集まるフランスでのチャレンジを決意し、プロとして活動を行います。
海外への思いや叶えたいこと。そして、柴田さんがバレーボールから学んだ大切にしていることをお聞きしました。

※本記事はnote移行前の旧SPODGEから2022年7月15日に掲載した記事になります。



人生の分岐点となった2つの出来事

ーバレーボールを始めたきっかけを教えてください。

もともと母と姉がバレーボールに取り組んでいた影響で始めました。

姉が所属するスポーツ少年団へお迎えに行っていた小学1年生の時に、スポーツ少年団の監督から誘われました。

当時、バレエを習っていて体を動かすことが大好きでした。また、身長が高かったこともあり、監督が誘ってくれたのだと思います。

ー高校・大学・社会人と強豪へ進まれましたが、バレーボールがきっかけになったのでしょうか?

高校への進学はありがたいことに声を掛けていただきました。
大学への進学は高校の監督に薦めていただき、日本体育大学へ進学することになりました。

社会人へ進んだ時は、大学3年時にU-23の日本代表に選出いただいたチャンスを手にすることができ、声を掛けていただきました。

高校時代からVリーグというトップのレベルでチャレンジしたいと考えていました。
当時、Vリーガーは高卒が多く、大学に進学してからVリーガーになることは夢の夢だと思っていました。
最近では大学へ進学した後にVリーガーになる選手が増えたので、個人的に嬉しく思っています。

※写真:ご本人提供

ー高校・大学・社会人の中で、大きな分岐点となった出来事はありましたか?

これまで2つあると思っています。

まず、高校時代に大きな分岐点がありました。

それは、ポジションを変えたことです。
中学時代は背が高く、アタッカーとしてプレーしていましたが、今後(大学や社会人)を考えるならセッターとして活躍してほしいと高校時代の監督が考えたようで、セッターの道を薦められました。

そして、2つ目が大学時代の4年間です。
大学2年時に大学インカレで優勝することができ、3年時にはU-23日本代表に選出され、Vリーグへチャレンジする機会をいただきました。

また、海外の強化合宿があり、海外の文化や外国人選手に触れることで海外へチャレンジしたいという目標をもつきっかけにもなりました。

ー日本のトップレベルを走り続けた柴田さんですが、バレーボールをプレーする中で大切にしている考えはあるのでしょうか?

高校の時は正直あまり意識していませんでした。毎日が必死でしたね(笑)

大学・社会人を振り返ってみると何事も「やってみよう」という気持ちで取り組んでいたと思います。

どんな環境でもやってみることが成長に繋がると思っていて、ひたむきに努力をする選手でありたいと思っています。
私はずっとレギュラーではありませんでした。ただ、チャンスを掴むために準備を続けてきました。チャンスが転がってきた時に、そのチャンスを掴み取れるか取れないかが重要だと思っています。

今回の海外の挑戦もチャンスを掴み、自分の目標を達成するためのチャレンジだと思っています。

世界のバレーボールを体験するために


ー今回、海外(フランス)を目指すことになったきっかけを教えてください。

U-23日本代表や大学で海外合宿へアメリカへ行った時、オフやトレーニングを見て、新鮮さを感じました。JTマーベラスに入団し、アンドレア・ドルーズ選手(アメリカ代表選手)と出会い、バレーボールとの向き合い方が違うことに衝撃を受けました。

バレーボールの知識や経験をもっと増やしたいと想い、海外へのチャレンジを決意しました。

ー世界ランクを見ると、日本は7位、フランスは24位で、ランキングだけ見ると下位にあたりますが、なぜ、フランスリーグへチャレンジするのでしょうか?

2つ理由があります。
ます、日本人がチャレンジしやすいことです。

現在、Vリーグでは、2名の外国人選手枠が設けられています(うち、1名はアジア人選手枠)。日本では海外選手が活躍することに厳しいハードルが設けられています。

一方、フランスリーグの場合、海外選手の出場枠が多く、海外選手が集まるリーグなので、日本人でもチャレンジしやすい環境があります。

2つ目は、海外選手が集まるからこそ、レベルの高い試合が繰り広げられ、厳しい競争環境があります。

チャレンジするからには厳しい環境に身を置きたいと思って、フランスという地を選びました。

※写真:ご本人提供

ー9月からフランスへ行かれると思いますが、今の心境を教えてください。

ワクワクと不安が入り混じっています(笑)

ワクワクで言えば、色々な海外選手と対戦ができること。そして、海外のレベルを肌で感じられることです。海外の一流プレーヤーを自分がどう活かせるのかがすごく楽しみです。

不安な面は、コミュニケーションです。フランス語と英語の両方が必要となります。
日常生活はフランス語で、プレー中は英語が必要です。

少しずつですが、勉強しています。

ーフランスの地で叶えたい目標や夢を教えてください。

1勝でも多くチームの勝利に貢献したいです。
自分のプレーがどれだけ通用するのかチャレンジを続け、バレーボールの知識・経験を高めていきたいと思います。

ゆくゆくはヨーロッパリーグでフランスリーグ以外のチームと対戦したいです。

今までは企業に所属していたので、守られていたと思いますが、フランスではプロ選手として活動するので、勝つこと、結果を出すことが重要だと考えています。

自分の行動で応援してくれる方が変わってくると思うので、とにかく自分の力を発揮していきたいです。

ー今回のプロジェクトの経緯を教えてください。

私はご縁でプロジェクトに参加させていただきました。
松永理生さん(元日本代表バレーボール選手)をきっかけに、エミリアトラベルのプロジェクトに出会うことができました。ちょうど海外へチャレンジしたいと考えていた矢先のことで、とても良いタイミングだと思いました。

昨年(2021年)の6月くらいから動き始め、色々な国のチームを見ていました。そこで、フランスのチームで求人があり、今年の1月に本格的に動きました。

※下部にエミリアトラベル株式会社 稲見様に今回のプロジェクトについてお聞きしております

ープロジェクトの中でサポートを受けたことで良かったことは?

心強さがありました。
プロジェクトの内容は、私のプロフィールを作成したり海外との仲介などサポートいただきました。

一緒に取り組んでいただいたことで、問題や不安が解決されていったと思います。
実務的なことはもちろん、メンタル的にも支えていただきました。

バレーボールを通じて叶えたいこと


ー今後叶えたい夢や目標を教えてください。

直近の目標は、2024年のパリ五輪を目指しています。今、幸いなことにチャンスを掴める環境があります。掴めるチャンスを逃さないために、準備を進めていきたいです。

柴田さんの活動や経験が社会にどのような影響を与えると思いますか?

また、バレーボールの観点で言えば、今回私がフランスへ挑戦することで、海外へのチャレンジを考えている選手の背中を押せるような存在になりたいと思っています。

こうした海外へのチャレンジが、子どもたちがバレーボールをやりたいと思ってくれるかもしれませんし、海外へ挑戦したいアスリートが増えればいいなと思っています。
そして、海外と日本を結ぶ存在として、海外の都市と日本の都市をつなげていければいいなと考えています。
私が行くフランスとナンシーは石川県金沢市と姉妹都市なので、スポーツをきっかけに交友関係が深まれば嬉しいです。

※写真:ご本人提供

ーチャレンジすることに一歩を踏み出せない方へメッセージをお願いいたします。

やらない後悔よりもやった後悔のほうが良いと考えています。迷ったらチャレンジする選択を選んでほしいです。

そして、どんなチャンスでも掴める準備をするべきだと思います。

私も海外へ行きたいと考えてから3年ほど迷い、行動に移せませんでした。ただ、「あのときやっておけば・・・」と行ってないことを後悔すると思い、フランスへ行くことを決意しました。

もし、迷っているのであれば失敗や後悔を恐れずチャレンジしてほしいです。

今回のプロジェクトについて(エミリアトラベル稲見様)


エミリアトラベル株式会社:
日本とイタリアを繋ぐ旅行会社。
http://www.emiliatravel.com/
https://www.travelarrangejapan.com/
https://www.ryokan-japan.com/

ー今回のプロジェクトはエミリアトラベル様が中心となりスタートしました。発足した経緯を教えてください。

私たち『エミリアトラベル株式会社』は、主にインバウンド向けの旅行を手配する会社です。
我々はイタリアとのつながりが強く、2019年のラグビーW杯や東京オリンピックなどのスポーツイベントに関するアシスタントを担当していました。

私を含め、旅行の手配に関わる方がバレーボール好きということや、イタリアにいるスタッフが、バレーボールをはじめ、欧州スポーツイベントのアレンジに多く携わっているとうこともありました。

その中で、イタリアを中心とした、海外経験をしたいバレーボール選手の派遣、また学生や高校生等クラブチーム同士の交流事業などを活動の主とした、バレーボールドリームプロジェクトをスタートしました。
このプロジェクトには、石川祐希選手の恩師であり、バレーボールの強豪、東山高校の監督である松永理生さんがアドバイザーとして一緒に取り組んでいただいています。

ー今回スタートしたプロジェクトは、エミリアトラベルのサービスとして大きくしていこうと考えているのでしょうか?

私たちのメインは旅行業ですので、このプロジェクトをサービス化し大きくしようという考えはありません。
また、ターゲットは学生や若い選手になりますので、正直ビジネスとして大きくすることは難しいと思います。経営者としてはダメかもしれないですね(笑)

ただ、選手のみなさんのために海外へチャレンジするための懸け橋になれればという思いでこのプロジェクトに取り組んでいます。

ー今回のプロジェクトについてどのような思いをもっていらっしゃるのでしょうか?

今回のプロジェクトを通じ、ぜひ様々な発見をして欲しいと思います。それは自分自身のことや渡航先の国の歴史や文化であったり、また自分の国のことでもいいと思います。
バレーボールのチャレンジがメインではありますが、スポーツ選手としての枠を超え、いろいろな経験をし、また人と人との交流を広げ、選手みなさんの将来への豊かな経験としてほしいと思ってます。

※写真:ご本人提供

プロジェクトの第1号として、柴田真果選手とご縁をいただき、サポートをさせていただきました。
このフランスへのチャレンジが柴田選手にとって素晴らしい時間となりますようにと思いを込めてサポートしました。私たちらしさを出すのであれば「Have a nice trip」という言葉が合いますね(笑)

私たちの活動をきっかけにスポーツ&ツーリズムが広がっていけばいいなと思っています。